●それでも我が家はクルマを捨てられない |
◇ 7/4 ◇ 栄田育子(CFP) |
はじめまして、CFPの栄田育子と申します。 現在、サラリーマンの夫と2人暮らしをしている、29歳のフルタイム ワークミセスです。投資信託を売るためのソフトウェアの設計という仕事 をしています。どうぞよろしくお付き合いくださいね。 先日、我が家にこの時期恒例の、クルマの保険の更新通知が届きました。 実はこれが来るたびに我が家は思うのです。 「車も保険も、もったいないよなぁ」と。 我が家は、東京の都心部から電車で20分ほどのところにあります。 最寄り駅からは徒歩で5分程度。急行が停車する駅からも徒歩で10分程度 の場所に自宅があるため、夫も私も通勤は電車です。夫は職場までドア・ ツー・ドアで40分ぐらい。私は1時間ぐらいです。 地方の方から見るとずいぶん時間がかかるんだなぁと思われるでしょうが、 関東近郊では普通で、もしかしたら夫は短時間の部類に入ると思います。 そんなわけで、通勤に車を使わないわけですから、月曜日から金曜日まで はほとんど車に乗ることがありません。週末も遠出をしない限りは買い物へ いくときに使うぐらいです。 そんな状態ですから、去年1年間は恐らく4000キロ程度しか走っていない と思います。私の友人に言わせると、「年間1万キロぐらい走らないと、 もとはとれない」らしいので、明らかにもとはとれていません。 その「もとがとれていない」車を持ちつづけるためにに、実はかなりお金 がかかっているんです。 まず、駐車場代。我が家はマンションなので駐車場は借りなくてはいけま せん。これに年間25万以上もかかっています。これだけで、驚く方がたくさん いらっしゃるかもしれませんね。 次に自動車保険料。これは最近ディスカウントが進んで、多少安くなった とはいえ、実は私がここ1年ぐらいで運転するようになった(ペーパードライ バーを返上して、お買い物ぐらいは行けるようになったのです)ため、初心者 ゆえの事故が起きても保険でカバーできるようにと、夫が考慮してくれて、 結局年間で65000円ぐらいの保険料を払っています。 次は自動車税です。我が家の場合は年間40000円ぐらいです。 これって、5月っていう中途半端な時期に、支払わなくてはいけないんですよね。 そして、当然ガソリン代を払わないと車は動いてくれません。 まぁ、そんなに乗りませんから月に5000円程度です。年間で60000円ぐらいですね。 今までに挙げた費用を合計しただけですでに41万5000円になっています。 少なくとも毎年これだけかかるんですね。車を持っていなければ毎年、 アジアあたりなら2人で海外旅行して、お土産も買えそうです。 で、さらに定期的にかかる費用があります。車検です。 我が家は現在の車で去年初めての車検を迎えました。正直言って、もとが とれていない車を車検を通してまで持ちつづけるべきなのかどうかずいぶん 悩みましたが、結局通すことにしました。特に修理するところがあったわけ ではないですが、10万円程度かかりました。去年は結局車の維持費に50万円 以上かかっていることになります。 ここまで書くと、お気づきの方もいらっしゃるでしょう。 「週末しか乗らないなら、レンタカーを毎週借りた方が安いのではないか?」 そうなんです。私もずーっとそう思っているんです。 しかも、買い物なんて車が無くたって出来るんですよね。実際徒歩の範囲に 買い物できるところは何軒もあるんです。 これだけわかっていても、我が家が車を持ちつづけているのは「便利だから」 の一言につきます。例えば「休日にふと思い立ってどこかへ出かけ」てリフレ ッシュできることには、とても捨てがたい価値を感じます。 この価値を、金融の言葉でいうと「オプションバリュー」といいます。 クルマを使いたいと思いたったときに、すぐにお気に入りのクルマを使える こと…こういう、時間の概念が含まれている権利が『オプション』です。その 価値が「オプションバリュー」となります。 (正確な定義とはちょっとズレますが、イメージとして捉えてください) 結局、我が家におけるこの「オプションバリュー」が「レンタカーを毎週 借りた場合に節約できる額」を上回っているから、今までは持ちつづけてきた のでしょうね。 でも、来年の車検がやってきた際は、本気でこの「オプションバリュー」 (休日にふと思い立ってクルマで出かけてリフレッシュする権利の価格)を 見積もって、持ち続けるか捨てるかの意思決定をしたいと思います。 「来年あたり、クルマ買い換えようかなぁ」と言う夫の口をふさぎながら…。 |
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